「ビザ」には2つの意味で使われます
外国人が日本に来て日本に滞在し活動するには「ビザ」が必要だと言われます。この「ビザ」とは一体どんなものなのでしょう。
一般にビザという言葉を使う場合、次の2つの意味で使われています。「査証」と「在留資格」です。この2つは法律上の意味や手続においては全く違うものですが、(特に外国人の方は)どちらも「ビザ」と呼ぶことが多く混乱しがちです。
「査証」と「在留資格」の2つは全く違うもの
査証と在留資格。この2つはどう違うのでしょうか?
たとえば、アメリカ人大学生のジョンが京都を観光するために日本にやってきたとしましょう。ジョンは8時間の長いフライトを経てようやく飛行機が関空に到着しました。 飛行機を降りるとそこは待ちに待った日本。このときジョンは到着した空港から日本へ入国するときに、空港内にある入国審査のカウンターの列に並び入国審査官にあるものを見せます。「旅券(パスポート)」です。実はその中に1ページに貼られているのが「査証(ビザ)」です。そして、無事に入国審査を通過するとはじめて「在留資格」(「短期滞在」の在留資格以外は在留カードに記載)をもらうことができます。では詳しく見てみましょう!
1.上陸手続と査証
日本に入ってくるときの手続を「上陸手続」といいます。これには「旅券(パスポート)」と「査証(ビザ)」が必要になります。
旅券は、その人の母国が発行してくれる国籍などを証明してくれる身分証明書です。たとえばアメリカ人の場合にはアメリカ政府がアメリカの国民であることを証明してくれているのです。
一方、査証は、外国にある日本の大使館(領事館)が発給します。たとえば、アメリカにある日本大使館が、この外国人なら日本に入国させても大丈夫だと推薦するようなものと考えればよいでしょう。つまり、上の例でいれば、アメリカ人のジョンの素性について、母国であるアメリカが旅券で国籍を、そして日本の大使館が査証で日本に入国しても大丈夫だという証明していることになります。この2つをもって、入国審査カウンターでOKがでれば晴れて日本入国が果たせるわけです。
このように外国人が日本に入国するためには、原則として旅券と査証の2つが必要になるのです。
2.在留手続と在留資格
次に、上陸(入国)したあとの「在留」の手続を見てみましょう。 在留とは日本に滞在してなんらかの活動を行うことをいいます。
日本に滞在し活動するためには「在留資格」が必要です。そして、日本の在留資格には多くの種類(約30種類もある!)があって、その外国人がどんな活動かによって細かく決められています。ちなみに、在留資格は入国した際に日本の入国管理局(法務省)が発行します。(査証は外務省が発行するのとは異なります。)
1.外国人が日本で活動するには、その活動が認められる在留資格が必要であること。
2.その活動は在留資格の種類によって細かく決められていること。
この2つがとても重要なのです。ではもし今もっている種類の在留資格では認められていない活動をしてしまったらどうなるのでしょうか。場合によっては「不法滞在」として捕まってしまう!なんてことにもなりかねませんので、十分に注意してください。
では、どうすれば今もっている在留資格の種類がわかるのか。それは「在留カード」を見ればわかります。
在留カードをみると、そこに在留資格の種類と期限が書かれています。(「短期滞在」の在留資格の場合には在留カードは与えられませんが、短期滞在では一切収入を得て働くことはできませんので特に気をつけてください。)。在留資格の種類と期限は日本に滞在する外国人にとってとても大切な個人情報なのできちんと理解して把握していることが大切です。