入管の電子届出システムとは
入管(正式には「出入国在留管理庁」)には「電子届出システム」があります。行政手続きのデジタル化の流れで、実は2013年から始まっています。
入管の電子届出システムはどんなときにどのように使えるのでしょうか。説明していきます。
目次:
・電子届出システムの概要
・電子届出システムが使える場面
・電子届出システムの使い方
・電子届出システムのご依頼
・電子届出システムのよくある質問
電子届出システムの概要
電子届出システムで使えるのは「所属機関等に関する届出」です。在留資格の申請そのものを電子手続きにするものではありませんので注意してください。
ちなみに電子手続だけではなく窓口や郵送でも受け付けています。
こうした外国人の方の所属先や配偶者に変更があった場合にする届出です。
1.日本で働くための就労ビザ等をもつ外国人
2.日本で勉強するための留学ビザ等をもつ外国人
3.日本に住む人と暮らす配偶者ビザ等をもつ外国人
特に東京、大阪、名古屋など都市部の入管は混雑していることも多いですし、手続きはできるだけ手軽に簡単にできるのがよいですよね。
また、外国人ご本人だけでなく会社、学校の担当者の方が代わりに手続きをすることもできます。
電子届出システムが使える場面
まずは、下の3つのように「所属機関等に関する届出」を提出する場合に当てはまるかどうかを確認してください。
1.日本で働く就労ビザなどをもっている外国人の方
・技術・人文知識・国際業務(大卒者などの一般的な就労ビザ)
・技能(外国料理のコックやパイロットなどの専門家)
・経営管理(会社の社長や管理職)
・高度専門職1号・2号(年齢が若く高年収高学歴な労働者)
・特定技能(建設・製造・飲食・宿泊など特定業種に従事する労働者)
・技能実習(いわゆる技能実習生)
・企業内転勤(海外親子会社などから転勤で来日している従業員)
・教授(大学の先生)
・研究(いわゆる研究者)
・教育(小中高の英語の先生・ALT・ELTなど)
・興行(芸能人、スポーツ選手、歌手・ダンサーなど)
・法律・会計業務(弁護士、会計士)
・医療(医師、看護師など)
・介護(介護福祉士)
こうした在留資格もつ外国人の方の所属する会社や機関(大学・病院など)に変更があった場合に届出が必要です。
・会社等が名前や所在地を変えた場合
・会社等が消滅(倒産・閉鎖など)した場合
・会社等から離脱・移籍、労働契約が終了・開始した場合
このような場合は、14日以内に「所属機関に関する届出」が必要になります。
2.日本で勉強するための留学ビザなどをもっている外国人の方
・留学(大学、専門学校、日本語学校の留学生)
・研修(無給のトレーニングを受けに来ている企業研修生など)
こうした在留資格をもっている外国人の方もその所属する会社や学校などに変更があった場合は届出が必要です。
・会社等が名前や所在地を変えた場合
・会社等が消滅(倒産・閉鎖など)した場合
・会社等から離脱・移籍、労働契約が終了・開始した場合
このような場合は、14日以内に「所属機関等に関する届出」が必要になります。
3.日本に住む人と結婚して配偶者ビザなどをもつ外国人の方
・日本人の配偶者等(日本人と結婚している外国人配偶者)
・永住者の配偶者等(永住外国人と結婚している外国人配偶者)
・家族滞在(日本にいる外国人が扶養している外国人配偶者)
こうした在留資格をもっている外国人の方が、その配偶者や家族に変更があった場合は届出が必要です。
・配偶者と離婚した場合
・配偶者が死亡した場合
このような場合は、14日以内に「配偶者に関する届出」が必要になります。
電子届出システムを使う方法
「所属機関に関する届出」や「配偶者に関する届出」をする必要がある外国人の方は、電子届出システムで届出を行うこともできます。窓口や郵送でも受け付けています。
電子届出システムを使う場合は、こちらのウェブサイトにいってください。
https://www.ens-immi.moj.go.jp/NA01/NAA01S/NAA01STransfer
外国人ご本人か、あるいは所属機関の方かで少し手続きが異なります。所属機関の方は別途利用者登録が必要になることに注意してください。
1.ご本人の電子届出
まずは、「利用者情報登録」が必要です。オンラインで登録することができるので、利用者登録をおこない、認証IDをとってください。
・お名前
・生年月日
・性別
・国籍
・在留カード番号
・認証ID(希望)
・パスワード
・メールアドレス
を入力して、間違いないよう確認してから送信・登録してください。
2.所属機関の方の電子届出
所属機関(会社が学校)の担当者様が代わりに行う場合には、やや面倒ですが別途、入管の窓口や郵送で所属機関登録が必要になります。こちらの情報登録届出書をダウンロードしてお使いください。
https://www.ens-immi.moj.go.jp/excel/FAA01L.pdf
郵送先にこちらになります。
http://www.moj.go.jp/isa/content/930001410.pdf
所属機関の登録が終わりましたら、認証IDとパスワードをつかって電子届出システムをつかってオンラインで届出ができるようになります。
特に、多くの外国人就労者を抱える会社さんや、外国人留学生を抱える学校の方はオンラインでの届出は便利なので、登録しておくのが良いです。
なお、その他のこまかな電子届出システムの使い方や質問については、各国語でも解説がありますので、詳しくはこちらを参考にしてください。
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/i-ens_faq_manual.html
電子届出手続のご依頼
1.当事務所顧問先の方
通常は顧問料金に含まれておりますので、別段費用は頂いておりません。お気軽にお申し付けください。
2.初めてご相談の方
ご本人確認が必須になりますので、一度会社の方又はご本人とお会いさせて頂く必要があります。
また、ご相談の場合は相談料(遠隔の場合は出張費・交通費)、申請代行をご依頼の場合は申請代行手数料をいただいております。
・事務所での個別相談料(初回)6,000円
・申請代行手数料(電子届出)1名10,000円
(例)
会社を転職された外国人の方1名が、当事務所にお越しいただいて電子届出システムによって届出をさせていただいた場合:
事務所相談料(初回)6,000円+申請代行手数料(電子届出)10,000円=16,000円
ご依頼の方法
個別相談のご予約はこちらからお願い致します。
【相談予約サイト】【電話予約】
ただいま、メール・LINEでは無料相談を受け付けています。
簡易なご質問のみでしたら、こちらから無料相談をご利用ください。(なお、電話での無料相談は受け付けておりません。)
【メールフォーム】【LINE登録】
また、日本で暮らす外国人の方にむけたビザ・生活の最新情報をニュースレターでメールで無料配信しております。ご関心のある方はぜひご登録ください。
【ニュースレター】
電子届出システムのよくある質問
Q自分自身の名前や国籍、住所が変わった場合は?
その場合はこの電子届出システムは使えません。名前や国籍が変わった場合は直接入管に届出てください。また、住所が変わった場合は市町村役場で住所変更をしてください。
Qもし届出をしなければ、罰則があるのですか?
はい、罰則があります。届出をしなければ20万円以下の罰金、虚偽の届出をした場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金が規定されています。ただ、すぐに罰が与えられるわけではありません。仮に知らずにあるいは忘れていて、少し遅れてしまってもしっかりと届出をしましょう。窓口や郵送でも大丈夫です。
Q会社を退職・解雇された場合も届出は必要ですか?
はい、必要です。この電子届出システムを使うか、窓口・郵送で届出してください。上記のとおり罰則も規定されており、罰がなくても在留資格の更新の際に不利(例えば、3年ビザが1年になったり)になることも考えられます。
Q会社が合併して名称変更した場合も届出が必要ですか?
はい、必要です。ただし、合併しても会社名・所在地が変更なければ不要です。
Q日本人と再婚したときも、届出が必要ですか?
いいえ、離婚と死別のみ届出が必要です。
Q外国人が退職した場合、会社の側も届出が必要ですか?
義務ではありませんが、本人が適正に届出をしない可能性もありますし、会社側の雇用責任をきちんと精算するためにも、できる限り届出してもらったほうがよいです。入管との継続的なコミュニケーションが外国人雇用の手続きをスムーズにします。ただ、外国人雇用状況届出をしている会社さんはそちらのみでよいです。
Q電子届出システムは有料ですか?
無料です。
Q電子届出システムはいつでも使えますか?
24時間365日使えます。ただし、メンテナンス時期を除きます。
Q電子届出システムは外国語対応していますか?
外国語でも表示はできますが、入力は氏名などを除き日本語入力です。
参照ウェブサイト:
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/i-ens_system.html