養子縁組が成立するには
養子縁組とは、血はつながっていなくとも、法律上の親子関係を作ってしまおうという手続きです。
これにもどんな人が養子縁組をできるかについて各国バラバラです。
そこで、例によって、どこの国の法律に従って養子縁組が成立するかを判断しなければなりません。
では、通則法を見てみましょう。
通則法31条
「養子縁組は、縁組当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればそのもの若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない」
つまり、原則として、養親となろうとする者の本国法によって判断されます。
これは、養子はふつう養親の元で生活をすることになり養親と同じ国籍になることが多いので養親の本国法で判断すればよいとの考えがあるからでしょう。
ただし、養子となろうとする者の本国法もみて、承諾や公的機関の許可などの要件が必要となるときには、その要件も必要だとしています。
これは、養子の本国法が養子の保護のためにあえて本人の承諾や公的機関の関与を認めていることから、養子保護の趣旨をふまえてあげようということでしょう。
いわゆるセーフガード条項ですね。
なお、「養親」という場合、父と母の二人がいることになります。
そこで、養親である父母の国籍が異なる場合には、父母それぞれの本国法をみることになります。
このとき、一方では認められ、もう一方は認められないということも起こりうるでしょう。
養子縁組の方式
養子縁組の手続きも、各国でバラバラです。
たとえば、契約だけで養子縁組ができる国もあれば、厳格な手続きを必要とする国もあります。
こうした手続き上の問題については、34条がまとめて条文をおいています。
通則法34条
「第25条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。
前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は有効とする」
つまり、養子縁組の成立の準拠法か、養子縁組をした地の法律によればよいことになります。
離縁について
離縁とは、養子縁組を解消することです。
養子縁組とは表裏の関係にあることから、養子縁組の準拠法を準用します。