大阪で外国人雇用の就労ビザや国際結婚・永住ビザ等のお悩みは行政書士川添国際法務事務所にご依頼下さい。大阪で外国人就労ビザ申請手続きのサポート・代行

国際民事手続き

就職を考えている留学生・転職を考えている外国人の方へ

外国人が日本で活動するにあたって「在留資格」は切っても切り離せない関係にあります。そして「就職」もまた、在留資格が深く関係する活動の一つです。

「就職を考えている留学生」や「転職を考えている外国人」が在留資格で注意しなければならないことについて解説します。

留学生の在留資格変更

留学生の在留資格変更

留学生は「留学」の在留資格を有しているはずですが、これでは日本で就職することはできません。日本で就職する際には「就労可能な在留資格」に変更する手続きをしなければなりません。

在留資格の変更手続きは、お住まいの住所を管轄する入国管理局で行います。注意すべきなのは、在留資格の変更に関する審査には1~3ヶ月かかるという点です。

この時、留学ビザが終了するまでに就労ビザが許可されないと不法滞在として扱われてしまいます。就職先が決まったら、早めに入国管理局で申請手続きを行いましょう。

留学生の在留資格変更手続きに必要な書類

  • 在留資格変更許可申請書
  • 顔写真
  • パスポートまたは在留資格証明書(提示できない場合はその理由書)
  • 在留カード(外国人登録証明書を含む)
  • 申請理由書(必須ではない)
  • 雇用契約書のコピー
  • 法人登記事項証明書
  • 決算報告書のコピーまたは事業計画書
  • 源泉徴収票等の法定調書合計表のコピー
  • 会社案内
  • 雇用理由書(必須ではない)
  • 卒業証明書または卒業見込証明書

留学生の注意ポイント

これから就職しようとする留学生向けのアドバイスとして、以下の内容を提示します。

  • 日本のマナーやルールに注意する
  • 採用選考スケジュールを知る
  • 活動スケジュールを立てる
  • 在留資格に関することは速やかに入国管理局に申請する

外国人は転職時に入管での手続きが必要

外国人は、日本国内での転職が可能です。しかし、その際には在留資格の変更手続きが必要である場合があることを理解しておきましょう。在留資格には就労などの活動内容が制限されており、在留資格の変更なしにその範囲から外れる転職をすると「不法就労」とみなされてしまいます。

また、活動内容の制限から外れない転職の場合でも、入国管理局に就労資格証明書の交付申請手続きをしなければなりません。

在留資格に特化した行政書士をお探しなら行政書士・川添国際法務事務所へ

在留資格に特化した行政書士をお探しなら行政書士・川添国際法務事務所へ

在留資格の申請手続きは、行政書士や弁護士などの専門家に依頼することも可能ですが、すべての専門家が外国人のビザ手続きを熟知しているわけではありません。

大阪・京都・兵庫などの関西圏で在留資格に特化した行政書士をお探しなら、行政書士・川添国際法務事務所をご利用ください。申請手続きの確かな実績があるからこそ、2回目以降の大幅割引や家族割引、不許可の際の残額返金など、充実したサービスをご用意しております。

オンラインやメールからご相談を受け付けており、日本全国出張いたしますので、まずは一度お問い合わせください。行政書士は英語でのご相談も承ります。

在留資格の申請を行政書士に依頼するなら行政書士・川添国際法務事務所まで

事務所名 行政書士・川添国際法務事務所 Immigration Lawyer Kawazoe Office
代表者 川添 賢史 Kawazoe Satoshi
住所 〒573-1192 大阪府枚方市西禁野1丁目1−25-701
1-25#701, Nishi-Kinya 1, Hirakata, Osaka, 573-1192
TEL 072-805-3331
FAX 072-805-3334 (24H)
MAIL info@gaikoku-jin.com
URL https://gaikoku-jin.com
営業時間 平日9:00~19:00(土日祝夜間は予約によって応相談)*メール・FAXは24時間対応

戸籍法ガイド

日本には、「戸籍」という制度があります。
これは日本人の身分関係・家族関係を登録しておき、
公的機関によって証明書を発行する際に利用されます。

戸籍については、「戸籍法」という法律がルールを決めています。
ここではざっくりとそのルールを見ていきます。

戸籍を扱う機関

市町村長となっています(戸籍法第1条)。
ただし、法務大臣が基準を定めることができ、法務局長等が
助言、監督、指示できる場合があります(戸籍法3条)。

戸籍簿

戸籍は、1つの夫婦とその子ども(同氏)からできています。
(昔の戸籍制度では「家制度」の下、複数の夫婦もありました)
しかし、日本人が外国人と結婚した場合、外国人は戸籍に入りません
その場合は日本人とその子ども(同氏)だけで戸籍がつくられます。
(戸籍法6条)

戸籍を請求できる人

本人はもちろん請求できます。
配偶者(夫や妻)、直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母・・・)、
直系卑属(子ども、孫、曾孫・・・)は独自に請求できます。
戸籍は、郵便等で送付を求めることもできます
(戸籍法10条)

第三者であっても請求できる場合があります。
個人情報保護の観点から、次の3つの場合に限られますが、
「何のため」に「どこに提出するのか」を明らかにしなければなりません。
(戸籍法10条の2)

1.権利行使、義務履行の際に戸籍を確認する必要がある場合
2.国・地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
3.その他、正当な理由がある場合

このほか国・地方公共団体の機関、いわゆる士業(弁護士、司法書士、
土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、海事代理士、行政書士)
も、特定の戸籍につき目的を明らかにした上で請求することができます。
(戸籍法10条の2)

なお、請求者は、本人確認のための身分証明(運転免許書等)の提示を
求められます。(戸籍法10条の3)

「除籍」とは?

戸籍に書かれている者すべてが戸籍から出てしまったときには、
戸籍ではなくなり、「除籍」と呼ばれ、除籍簿として保存されます。
(保存期間は80年、謄本・抄本発行料も一般に高くなります)

戸籍に書かれていること

戸籍には、こんなことが記載されています。(戸籍法13条)

・本籍
・氏名
・出生年月日
・戸籍に入った原因・年月日
・実父母の氏名と続柄
・(養子)養父母の氏名と続柄
・(夫婦)夫・妻であること
・以前の戸籍
・その他

新たな戸籍が生まれるとき

こんなときに新たな戸籍が誕生します。(戸籍法16条~)

・結婚したとき
・子どもや養子ができたとき
・離婚・離縁したとき
・氏を変更、特別養子縁組、性別の変更など
・分籍したとき
・無籍者により

いろいろな届出

身分関係や家族関係が変わったときには、「届出」をして戸籍に変更を
加えます。忘れずに届け出てください。(後半は専門用語ですが一応。)
(戸籍法25条~)

・出生
・認知
・養子縁組
・養子離縁
・婚姻
・離婚
・親権及び未成年者の後見
・死亡及び失踪
・生存配偶者の復氏及び姻族関係の修了
・推定相続人の排除
・入籍(改氏・復氏など)
・国籍の得喪
・氏名の変更
・転籍及び就籍

なお、外国に在住している日本人は、外国にある大使・公使・領事に届出を
することができます(戸籍法40条)。

罰則もあり!

虚偽の届出をしたり、不正の手段で戸籍謄本を取得・閲覧した場合、
懲役・罰金などをくらうことがあります。(戸籍法132条~)

おまけ

戸籍の実務(裏話?)の詳しい内容は、このサイトへ。

外国人起業のスケジュール

外国人起業のスケジュール

外国人が日本で会社を起こして起業する場合、次のようなことを準備しなければならず、だいたい以下のようなスケジュールになります。

事業計画をつくる

まずは、どんなビジネスにするのか概要を決めます。そのときに目安となるのが「5W2H」です。

  • なぜ(Why)なんのためにビジネスをするのか、理念は目標は何か。
  • いつ(When)いつからビジネスを始めるのか、いつまでに何をすべきか。
  • どこで(Where)どこを商圏とするのか、どこに事務所・店舗をおくのか。
  • だれが(Who)だれが会社役員や従業員となるのか、会社か個人か。
  • なにを(What)どんな商品を売るのか、どんな特徴があるのか。
  • どうやって(How)どんな販売経路で売るのか。
  • いくらで(How much)商品をいくらで売るのか。

このような基本的な質問をしながら、ビジネスの概要を決めていきます。できれば第三者からの質問や助言を受けながら作成することが望ましいです。

資金を準備する

ビジネスをするには元手となるお金が必要です。自分でためた貯金を使うのか、親や家族からもらうのか、金融機関から借りるのか、いずれにしてもお金がなければスタートできません。まずはお金を確保してビジネスプランを実際に実現することができるのかが第一のハードルです。

将来の経営管理ビザの取得を考える場合には、一定の経営規模が求められます。その基準は2名の常勤雇用もしくは500万円以上の投資となっています。あまり小さな起業では経営管理ビザはとることができないことには注意が必要です。

また、経営管理ビザをとるためには資金の出所が聞かれることがあります。海外送金、預金通帳、給与明細など資料となる文書についてはきちんと保管しておくことをお勧めします。資金の準備の際に海外送金をする際にも注意が必要です。通常、送金には数日がかかりますし、場合によっては送金できない場合もあります。事前に段取りを調べておきましょう。

事務所を確保する

ビジネスの場所を決めることも欠かせません。会社であれば登記する会社所在地が必要ですし、個人事業であってもビジネスの本拠は必要です。通常は雑居ビルの一室を借りて事務所にしたり店舗にすることが多いでしょう。また一戸建ての持ち家の一部を事務所・店舗にすることもよくあります。

将来の経営管理ビザの取得を考える場合には、事務所の確保は重要な要件の1つです。事業をおこなうに十分な広さと権限(特に居住用マンションやシェアオフィスは許可されないこともあるため注意)が前提となります。また、賃貸借契約書や不動産登記簿謄本が提出資料となるためきちんと保存しておきましょう。

特に外国人が事務所を賃貸する場合には、不動産会社や家主さんから拒否されたり、いろいろな条件をつけられることもあります。敷金や礼金・保証金、連帯保証人など日本の商慣習もあり、賃貸契約締結時の重要事項説明にも外国語対応ができておらず誤解を生じやすい不動産会社もあります。

会社をつくる

ビジネスを会社(法人)でしたいという外国人は多いはずです。一般的には株式会社と合同会社の2種類で始める場合が多いようです。この場合、特に日本に住所をもたない外国人は、印鑑証明や銀行通帳の写しといった必要書類のため、法人設立の手続に時間と手間がかかることがあります。

また、日本の会社法の理解が十分でない場合に、会社設立後の手続(議事録や定款変更など)を忘れている場合もよく見られます。場合によっては、罰金を支払うこともありますので注意が必要です。

税務・労務手続をする

ビジネスを始めると、まずは税務署に開業届(法人の場合は法人開設届)をすることが必要です。これ以降は売上・利益を申告し、その金額に応じて税金を収めなければなりません。

また、法人となったり人を雇用する場合には労働保険(雇用保険、労災保険)、社会保険(健康保険、厚生年金)の手続を行い、それ以降はきちんと納付することが義務付けられます。税金については国税(所得税、消費税など)、都道府県民税(事業税など)、市町村税(市民税など)について手続と納付を忘れずにおこなうことがビザの許可・更新にも大きく影響します。

営業許可をとる

会社の概要(目的、名称、所在地)を決定する際に、経営管理ビザの要件を考えずに拙速に設立してしまうこともあります。外国人起業家に多い中古車販売(古物商許可)や旅行業(旅行業許届出)、旅館業(旅館業許可)には、目的、資本金、所在地などの項目が条件にあっていることが必要です。条件に合わなければ、あとで変更が必要となる場合があります。もちろんその他の業種でも許可・届出が必要な場合があるため注意してください。

また、条件に照らしてそもそも営業許可を取ることができない場合もありますので、できれば事業計画を作っているときから許可・届出についてはスケジュールや必要経費とともに考えておくべきです。

ビザをとる

経営管理ビザをとるためには、ビジネスプラン・事務所の確保・一定の事業規模の3つが最も重要な条件です。これらが確保できれば、ビザ(在留資格)の手続を進めましょう。通常は1,2ヶ月以上の期間が必要となります。スケジュールにあわせて事前の準備を整え、資料をしっかりと保管しておくことがスムーズにビザをとるためのコツです。

取引(契約)をはじめる

ビザも取得できれば、いよいよビジネスのスタートです。取引先をさがし、ビジネスの取引を始めましょう。通常は経営管理ビザをとってから1年後に更新許可の審査がなされます。それまでに売上の実績をあげることが大切です。取引においては、日本の商慣習や法規制についてしっかりと理解した上で行いましょう。

また、小さな取引であっても取引契約(売買契約、委任契約、賃貸契約ほか)は契約書にしておき、請求書、納品書、領収書などの文書もできるだけ保管(電子化も可だができれば文書のままをおすすめする)しておきましょう。

取引によって生じた売上やかかった経費はしっかりと帳簿にまとめ、決算書をつくり税務署への申告を忘れずに。税務申告と納税は経営管理ビザにおいても最も大切な審査ポイントとなります。

国際私法(国際離婚)

国際的な離婚に関わる手続きの流れ

離婚の手続きについても、世界各国でバラバラです。
「離婚」という制度を法的に認めていない国もある一方で、「タラーク、タラーク、タラーク」と唱えるだけで離婚成立!なんて国もあるわけです。

これは、宗教上の影響が強いのでしょうが、いずれにしてもどのように離婚の手続きを行うかについては検討が必要です。

1. 準拠法の問題…どこの国の法律にしたがって判断するか
2. 裁判管轄の問題…どこの国の裁判所で結着をつけるか
3. 判決承認の問題…外国での離婚が国内でも通用するか

すくなくとも、この3つについて考える必要があります。

どこの国の法律にしたがって離婚を判断するか

たとえば、日本に住んでいる日本人男性とフィリピン人女性が日本で離婚しようとする場合を考えてみましょう。
まずは、どこの国の法律に従って、離婚を判断するかについて見なければなりません。

通則法27条
「第25条(婚姻の効力)の規定は、離婚について準用する」

すなわち、25条を見てください、と。

通則法25条
「婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。」

これは、前の項で説明したように次の順番で優先的に決まります。
1.夫婦の本国法が同じ(例:夫婦二人とも中国人)ときは、その本国法
2.夫婦の常居所が同じ(例:夫婦二人ともニューヨーク在住)なら、その地の法律
3.夫婦に最も密接な関係がある地の法律

つまり、ずっと日本で住んでいる日本人・フィリピン人夫婦なら、「2」の日本の法律ということになりそうですね。

ただし、これには例外があります。もう一度通則法を見てみますと…。

通則法27条但書き
「ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は日本法による」

ここでも日本人には特別な規定を置いています。
夫か妻が日本であって、日本に一定期間住んでいたような夫婦の場合は、日本法にしちゃいましょう!と。
まぁ、日本人(というより日本の裁判官のみなさん)にとってはわかりやすい結論になります。
こういう日本人だけ特別扱いをしている法律の条文を、「日本人条項」というのでしたね。

離婚を判断する機関

さて、離婚の際には、いろいろな機関が関与する場合が考えられます。
たとえば裁判所や行政機関、あるいは教会などの宗教機関などです。

日本では協議離婚により紙切れ一枚!?で離婚することもできますが、離婚調停離婚審判離婚裁判などの手続きも用意されています。
このような手続きを厳密にみてゆくと、その国特有の機関(たとえば「家庭」裁判所なるもの)でしか離婚できないことになりかねないので、家庭裁判所も外国でいう裁判所の括りに入れてしまうなど若干は緩やかに判断する場合もあるようです。

離婚の効力

では、何が通則法のいうところの「離婚の効力」にあたるのか。
ご存知のように、離婚の際には「婚姻の解消」そのものだけでなく、他に色々な法律問題を生じます。

・氏(いわゆる苗字)をどうするか
・夫婦財産の精算、慰謝料の算定
・子の扶養、親権者の指定

こうした問題が「離婚」の準拠法に入るのか、それとも通則法の「他」の条項で判断されうのかは議論があります。

国際私法(国際結婚)

婚姻はどうしたら成立するか

まずは、婚姻の成立の条件についてです。

外国人と結婚する場合には、まずこの規定が問題となります。
通則法を見てみましょう。

通則法24条1項
「婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。」

「各当事者」とは、夫婦となる男女それぞれの、という意味です。
「本国法」とは、国籍のある国の法律と思って一応OKです(*)。

つまり、夫婦それぞれが、それぞれの国の法律によって判断されるということです。

*アメリカのように「州」ごとに法律が違う国は、一般に州の法律によります(通則法38条3項)

ここで問題となるのはこんな場合です。
婚姻年齢…年齢がいくつになったら結婚できるか。
再婚禁止期間…離婚したあと、いつになったら再婚できるか。
近親婚の禁止…親族間での結婚が許されるか。
重婚の禁止…二人以上の者と結婚(例:一夫多妻)できるか。

基本的には、夫婦それぞれの国の法律を調査して、結婚できるかを判断します。

ただし、例外的に、重婚の禁止など外国で認められる場合でも、日本の公の秩序や善良の風俗
公序といいます)に反すると考えられる場合には、適用しない場合があります(通則法42条)。

婚姻の手続のしかた

夫婦となりたい二人が結婚するためには、婚姻の手続きを済ませる必要があります。
(たとえば、日本では「婚姻届」さえ出せば結婚式を挙げなくても婚姻が完了します。)
この婚姻手続についても、世界各国でバラバラであるため国際私法の規定が必要です。
いったい、どこの国の法律に従って、婚姻手続きを行えばよいのでしょう。

通則法24条2項
「婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。」

つまり、原則は結婚した場所の法律に従えばOKということです。

ただし、通則法24条3項に補足があることに注意です。
「前項(24条2項)にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は有効とする。
ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、
この限りでない。」

つまり、夫婦どちらかの国の法律に従った結婚の仕方でもOKですよ、としています。
ただし、夫婦どちらかが日本人で日本で結婚した場合には婚姻届がないとダメ、です。
(これを日本人条項といいます。戸籍制度をもつ日本では届出を重視してるんですね。)

婚姻したら身分はどうなるか

では、無事に結婚できたとしましょう。
次に、結婚したら、夫婦それぞれにどんな権利を得たり、義務を負うのでしょう
これも世界各国でバラバラなので、国際私法を見る必要があります。

通則法25条
「婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において
夫婦の常居所地が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も
密接な関係がある地の法による。」

少し長い規定になりますが、3つのヒント(連結点)が書かれています。
1.夫婦の本国法が同じ(例:夫婦二人とも中国人)ときは、その本国法
2.夫婦の常居所が同じ(例:夫婦二人ともニューヨーク在住)なら、その地の法律
3.夫婦に最も密接な関係がある地の法律

まずは1、1がなければ2、2がなければ3の順番で優先的に適用されます(段階的連結)。

ここで、「常居所」という聞きなれない言葉がでてきています。
常居所とは、法律上定められる「住所」とは少し異なる意味だとされますが、基準は不明確です。
一応、日本国内の場合は住民票(日本人)や1年以上の在留資格(外国人)に、国外の場合は
原則5年以上の滞在(日本人)や、本国での住民登録(外国人)に認められているようです。

さて、夫婦としての権利・義務にはどんなものがあるのでしょう。
成年擬制…結婚すると未成年者としての取引上の保護がなくなるか。
夫婦の氏の決定…夫婦どちらかの氏に統一しなければならないか。
同居義務…夫婦は原則同居しなければならないか。
貞操義務…夫婦は貞操を守らなければならないか。
日常家事債務の責任…夫婦は日常家庭生活上の債務に連帯責任を負うか。

こうした問題を解決するためには、まず国際私法によって、どこ国の法律をみればよいを調査します。

婚姻したら財産はどうなるか

結婚後の夫婦に生じる効果については以上のとおりですが、財産関係に特別の規定があります。
条文も長いので、簡単にまとめておきます。

通則法26条1項
「前条の規定は、夫婦財産制について準用する。」

基本的には前条と同じです(ただし考慮すべき事情は財産的な視点から)。
しかし、夫婦の財産について書面で契約をした場合(夫婦財産契約)には、これを優先します。

夫婦の一方の国籍国法(本国法でないことに注意!)
夫婦の一方の常居所地法
不動産の関しての不動産所在地法

上の3つの中から自由に選択できることになっています。
(「契約」ですから自由度が高いのですね。)

ただし、夫婦以外の人(第三者といいます)にも契約の内容を主張するためには、きちんと
契約の内容を登記しておくか、そうでなければ原則通り日本法で判断されることになります。
(これは、日本での取引の安全に配慮したものです。)

国際私法(親子関係)

国際的な親子関係をめぐる問題

まずは大きく次の2つに分類されます。

1. 嫡出子(法律上婚姻している両親から生まれた子)
2. 非嫡出子(嫡出子でない子)

嫡出子としての親子関係

たとえば夫が日本人で、妻がアメリカ人の場合、子が嫡出子となるかどうかについてはどこの国の法律をみればよいのでしょう。
これについては通則法の28条が規定しています。見てみましょう。

通則法28条
「夫婦の一方の本国法でこの出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする」

つまり、出産当時の夫婦の本国法をみて、どちらかの法律によれば「嫡出子」となるのであれば「嫡出子」、としています。
このような「複数のどちらをみてもよい」という場合を「選択的連結」といいます。
嫡出子は法律的に保護されていますから、生まれてきた子の立場からすれば、できるだけ嫡出子として認めてあげるほうがいいわけです。

出生の当時」とあります。
これは、出生後に両親の国籍が変わっても、子が嫡出であるかには影響を与えないと考えるからです。
また、もし夫が出生前に死亡していた場合には、28条2項により「死亡当時の夫の本国法」で考えます。

非嫡出子としての親子関係

両親が法律上の婚姻状態になくとも、二人の間で生まれてきた子に対しては親子関係は生じます。
このとき婚姻関係のない親から生まれてきた子を「非嫡出子(婚外子)」といいます。

これには、世界各国で様々な制度があります。
「出生」という事実だけで非嫡出子と認める場合(事実主義)もあれば、「認知」という意思表示や手続きが必要な場合(認知主義)もあります。
また、そもそも嫡出子・非嫡出子を区別しないという国もあります。

そこで、非嫡出子制度について、どこの国の法律にしたがって考えるかを決定する必要があるのです。
では、例のごとく通則法をみてゆきましょう。この条文は少し複雑ですが、3つに分けて考えましょう。

1. 出生による親子関係の成立
2. 認知による親子関係の成立
3.認知そのもの

1.出生による親子関係の成立

通則法29条1項前段
「嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の関係についてはこの出生当時の父の本国法により、母との間の関係についてはその当時における母の本国法による」

つまり、結婚していない両親と親子関係になるかどうかは、父との関係では父の本国法、母との関係では母の本国法をみます。
それぞれの国の法律で「非嫡出子」として親子関係となることが認めれれば、父母それぞれにつき非嫡出子となります。

2.認知による親子関係の成立

通則法29条1項後段
「子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件も備えなければならない」

つまり、認知によって親子関係が成立するためは、父母の本国法によって認められていることだけではなく、認知当時の子自身の本国法でも非嫡出子となることが認められている必要がある、としています。
これは、認知によって親子関係が認められれば、子は親の扶養義務をおうため、子の同意などによって保護を図ったのでしょう。
こうした特定の人の保護を図った特別の条文を、「セーフガード条項」といいます。

3.認知そのものの成立

通則法29条2項
「子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の本国法による。この場合において認知する者の本国法によるときは同項後段の規定を準用する。」

つまり、(出生後の)認知は、出生時の父母それぞれの本国法で認められていなくとも、認知時の父母の本国法、もしくは認知時の子自身の本国法で認められていれば、それだけで認知が成立するとしています(選択的連結)。
これは、子の利益のため、できるだけ認知の成立を認めようとする意図があるからです。
ただし、認知した父母の本国法によるときは、認知した当時の子の本国法の要件も備える必要があるとしています(セーフガード条項)。

なお、父が出生もしくは認知の前に死亡したときは、その「死亡当時」の父の本国法を、「出生当時」もしくは「認知当時」の父の本国法とみなします(通則法29条3項)

認知の方式

認知の手続きについては、通則法34条に定めています。

通則法34条1項
「第25条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。」

つまり、「方式」についても「成立」と同じ法によるとしています。ただし・・・

通則法34条2項
「前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は有効とする」

として、加えて、法律行為を行った地の法律に適合した方式で行ったばあいもOKとしています。

「準正」という手続

準正とは、もともとは非嫡出子(婚外子)だったのが、認知後の両親の結婚(婚姻準正という)や、両親の婚姻中の認知(認知準正という)、国家機関の嫡出宣言などによって嫡出子の身分をえることをいいます(民法789条)。

このような準正の制度についても、各国バラバラなので準拠法が問題となります。

通則法30条
「子は、準正の要件である事実が完成した当時における父もしくは母または子の本国法により準正が成立するときは、嫡出子の身分を取得する。」

つまり、父の本国法、母の本国法、子の本国法のうちいずれであってもよいとしています。
これは、子の保護のため準正ができるだけ認められやすくためものです。

国際私法(養子縁組)

養子縁組が成立するには

養子縁組とは、血はつながっていなくとも、法律上の親子関係を作ってしまおうという手続きです。
これにもどんな人が養子縁組をできるかについて各国バラバラです。
そこで、例によって、どこの国の法律に従って養子縁組が成立するかを判断しなければなりません。

では、通則法を見てみましょう。

通則法31条
「養子縁組は、縁組当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればそのもの若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない」

つまり、原則として、養親となろうとする者の本国法によって判断されます。
これは、養子はふつう養親の元で生活をすることになり養親と同じ国籍になることが多いので養親の本国法で判断すればよいとの考えがあるからでしょう。
ただし、養子となろうとする者の本国法もみて、承諾や公的機関の許可などの要件が必要となるときには、その要件も必要だとしています。
これは、養子の本国法が養子の保護のためにあえて本人の承諾や公的機関の関与を認めていることから、養子保護の趣旨をふまえてあげようということでしょう。
いわゆるセーフガード条項ですね。

なお、「養親」という場合、父と母の二人がいることになります。
そこで、養親である父母の国籍が異なる場合には、父母それぞれの本国法をみることになります。
このとき、一方では認められ、もう一方は認められないということも起こりうるでしょう。

養子縁組の方式

養子縁組の手続きも、各国でバラバラです。
たとえば、契約だけで養子縁組ができる国もあれば、厳格な手続きを必要とする国もあります。

こうした手続き上の問題については、34条がまとめて条文をおいています。

通則法34条
「第25条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。
前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は有効とする」

つまり、養子縁組の成立の準拠法か、養子縁組をした地の法律によればよいことになります。

離縁について

離縁とは、養子縁組を解消することです。
養子縁組とは表裏の関係にあることから、養子縁組の準拠法を準用します。

婚姻要件具備証明

こんな場合には必要となります

□ 日本で働いているアメリカ人男性と交際中で、将来結婚を考えています。
□ 中国留学中に向こうで出会った彼女を、日本に連れてきて結婚したい。
□ 実は今交際中のフィリピン人の彼女は過去に離婚歴があるのだけど。
□ 市役所に婚姻届を出しに行ったら、「具備証」が必要だと言われた。

国際結婚の手続きとは

一口に、「国際結婚」といっても色々な場合が考えられます。

当事者は日本人と外国人なのか、外国人どうしなのか。
結婚する場所は日本なのか、それとも外国なのか。

これによって必要な手続きや書類・資料が異なってきますが、まずは日本人と外国人日本において結婚する場合についてです。

日本人と外国人が日本で結婚する場合

日本人との結婚と同じく市役所にいって「婚姻届」をだせばいいんのですが、ただ一つ、注意しなければならないのが・・・「婚姻要件具備証明」、略して「具備証(ぐびしょう)」を同時に提出することを求められます。

「婚姻要件具備証明」とは、「この外国人は国の法律に照らして結婚できる状態です」と、母国が認めたことを証明するものです。これがないと日本の市役所も、婚姻届をうけとってくれません。例えば、婚姻できる年齢に達していなかったり、離婚後一定の期間を経ていなかったりして結婚できる状態にあるかは、市役所では判断ができないため、母国に公的な証明を出してもらうのです。

では、この婚姻要件具備証明、どうやってとればよいのか。
これが、日本において国際結婚をスムーズに行うための一番のポイントになります。

2-1.フィリピンの場合

フィリピンは手続き的にちょっとやっかいです。
そもそもフィリピンでは法律上「離婚」という制度を認めていません。

ただ、外国人と結婚したフィリピン人が離婚した場合には再婚する
ことも認められています。

まず、フィリピン領事館で「婚姻要件具備証明」を発行してもらうのですが、

フィリピン人側:
出生証明書(NSO発行+DFAレッドリボン)
独身証明書(NSO発行+DFAレッドリボン)
・(日本人との離婚歴)前夫の戸籍謄本
・(外国人との離婚歴)前夫との離婚証明書
*死別の場合も同様の証明書
・雇用主の結婚承諾書
・(18~21歳)両親の同意書(公証人認証)
・(21~25歳)両親の承諾書(公証人認証)
・パスポートコピー
・外国人登録証コピー
・証明写真2枚

日本人側:
戸籍謄本
住民票
・パスポート又は運転免許証
・証明写真2枚 4.5cm×3.5cm

が原則として必要です。フィリピン人の結婚の条件はかなり厳しく
手続的にも面倒くさいことがわかるかと思います。

ちなみに大阪のフィリピン領事館は、日本語スタッフもいますが、
日によっては不在のこともあり、総じて対応もあまりよくないので
十分に準備をしてから行くようにしてください。

無事に、婚姻要件具備証明を取得できたら、これを添付して
市役所で婚姻届を提出してください。これで晴れて二人は夫婦です。

ただし、間違えてはいけないのは結婚したからといって、
相手が日本にいられるわけではないということ。ここは注意です。

ちゃんと「日本人の配偶者等」の在留資格に変更する手続き
(必ずしも変更する必要はない場合もある)をしなければ、
在留資格の上ではこれまでのまま(短期滞在や就労など)です。

きちんと在留資格の変更申請を行ってくださいね!

☆★☆ サービス ☆★☆

川添国際法務事務所では、フィリピン人との国際結婚について、
下記のサービスを提供しています。

・出生証明、独身証明(NSO+DFA)の取得代行 1通10,000円+3,000円
・離婚の際の前夫の戸籍謄本取得代行 1通6,000円
・各種書類の翻訳(翻訳証明印付き) 1通6,000円
・外国文書の外務省認証(大阪分室) 1回10,000円
・大阪フィリピン領事館への手続き随行・通訳 1回10,000円(1時間)
・市町村への婚姻届の提出手続き随行・通訳 1回10,000円(1時間)
・その他必要書類(同意書、承諾書)等の作成 1通6,000円

詳しくは、メールまたはお電話にてお問い合わせください。

☆★☆ ★☆★ ☆★☆

2-2.中国人の場合

2-3.韓国人の場合

2-4.アメリカ人の場合

2-5.インド人の場合

3.外国人同士の国際結婚

帰化申請(国籍取得)@大阪

帰化(日本国籍を取得)したい

日本に長く滞在している外国人の方、日本人の結婚して今後もずっと日本で生活しようと思っている外国人の方の中には、日本の国籍を取りたいという方が少なくありません。この外国人の人が日本の国籍を取得する手続きを「帰化」といいます。

なぜ、母国の国籍を捨ててまで、日本の国籍を取得したいと思うのでしょうか。

  • 世界でもっとも信頼が厚い日本のパスポートをとれば、ビザ免除で世界中を旅できる。
  • 外国人として必要なビザ(在留資格)の更新手続きや再入国の手続きが不要になる。
  • 日本国籍者として戸籍に登録されることで、不動産や銀行等との取引などがしやすい。
  • 妻も子どもも日本国籍なので、子どもの結婚前に家族全員の国籍をそろえておきたい。
  • スポーツ選手や政治家などの職業上の理由で、日本国籍が必要となる。

以上のような様々な理由がありますが、何れにしても日本の国籍をとるには、母国の国籍を捨てる必要がありますので、ふつうは大きな決心が必要となります。

また、新しい日本国籍者(いわゆる日本人)が生まれることで、日本国政府としても新たに一つ「戸籍」を作らなくてはいけないので帰化の審査は非常に慎重に行われます。よって、申請の条件はかなり厳しくて必要な書類も非常に多く、審査期間も6ヶ月~8ヶ月ほどかかることもあります。(また、一定の日本語能力が求められます)

帰化(日本国籍取得)の条件

1.住所要件

まず、帰化しようとする外国人は、原則日本にひきつづき5年以上住所がなければなりません。日本に滞在していても「住所」を登録していない場合や、日本に何十年も住んでいても途中で日本から出たり入ったりして「引き続き」継続して住所がない場合はこの条件を満たしません(再入国許可による短期の出入国か大丈夫です)。

2.能力条件

帰化をしようとする外国人は、20才以上(日本法によって成人・権利能力者)であり、かつ母国の法律でも能力者でなければなりません。

3.素行条件

素行、すなわち善良な人であることも条件となっています。犯罪歴などがなく法律を守る人かどうか、職業について税金もきちんと収めているかなどが見られます。特に納税と犯罪(自動車違反履歴も含む)については厳しく審査されます。

4.生計要件

自分自身また家族の収入で生活ができるかが審査されます。親からの仕送りや家族からの扶養であっても可能です。

5.国籍条件

日本法では原則、国籍は1つだけとされています。もし日本国籍を取得する場合には現在もっている母国の国籍は放棄しなければなりません。

6.団体条件

日本国政府への暴力的破壊をもくろむ団体を結成したり、加入したことがないことも条件となっています。

いくつかの例外要件

原則的な条件は上のとおりですが、下記の場合には要件が緩和されています。

  • 日本国籍であった者の子(養子は不可)で、引き続き3年以上日本に住所もしくは居所があるもの
  • 日本で生まれた者で引き続き日本に住所もしくは居所があるもの、または父か母が日本で生まれたもの(養親は不可)
  • 引き続き10年以上、日本に居所を有するもの
  • 日本国民の配偶者であって、引き続き3年以上日本に住所又は居所があり、現在も日本に住所のあるもの
  • 日本国民の配偶者であって、婚姻の日から3年がたち、引き続き1年以上に本に住所のあるもの
  • 日本国民の子(養子は不可)で日本に住所があるもの
  • 日本国民の養子で引き続き1年以上に本に住所をもち、縁組時の本国法により未成年だったもの
  • 日本国籍を失ったもの(日本に帰化後に日本国籍を失った者は不可)で日本に住所のあるもの
  • 日本で生まれ、出生時から無国籍者で、その時から引き続き3年以上に本に住所のあるもの
  • 日本に特別の功労のあるもの

どのような手続きと書類が必要か

帰化申請は必ず本人が申請することになっており、すべての書類がそろって申請をおこなうときには、申請人本人(外国人)が法務局に出向かなければなりません。ただし、書類を作成し法務局の職員に確認をしてもらうのは行政書士・司法書士でもおこなうことができます。

帰化の書類は種類・量が多く、素人だと何度も法務局に足を運ばなくてはならなりません。数の多い中国・韓国の人なら日本語を読み書きできる人も多く平日昼間に時間のある人であれば自分で書類を作成し申請される方もいらっしゃいます。

しかし、欧米、アジア、南米、アフリカ系の方の場合には、翻訳はもとより書類の収集に非常に長い時間がかかってしまう場合もあり日本の法律的な言葉に通じていないため長い時間がかかることもあります。当事務所では、中国国籍者、韓国国籍者の方はもとより、欧米、フィリピンなどのアジア、ナイジェリアなどのアフリカの国籍者の帰化申請の経験もあります(これは現地から取り寄せる家族関係書類や財産書類の収集、翻訳に非常に手間と時間がかかります)。

では、実際にどのような手続きと書類が必要になるのでしょうか。

帰化申請の手続き

1.法務局にて相談、書類作成・収集(行政書士による代行可)

管轄の法務局・国籍課で、必要書類について相談します。特にアジア・アフリカ系の場合、家族関係が複雑な場合もあるので証明書の発行が可能かどうかも合わせて確認します。これをもとに、現地から必要書類を取り寄せたら、日本にある大使館・領事館で取得を検討したりします。また、外国語文の証明書には翻訳が必要となります。

2.法務局にて帰化申請(本人のみ)

帰化申請の必要書類がすべてそろった後、法務局に申請に行きます。この手続は本人しか行えず、代理はできません。当事務所では法務局まで随行いたします。この時までに、日本語能力(日常会話と小学2年生までに習う漢字の読み書き)を上げておいて下さい。

3.法務局での審査→ 許可

およそ半年程度の審査期間があります。その後問題がなければ許可通知があります。この間に住所や職業などに変更があった場合にはすみやかに法務局に連絡を入れます。

4.帰化後の手続き

帰化の申請が許可された後は、官報告示日から日本人となります。法務局から渡される「帰化者の身分証明書」をもって、市町村役場にておいて帰化の届出を行い、在留カードを入国管理局に返納します。

帰化申請に必要な書類

下記のような書類が必要となります。(行政書士による作成代行可。但署名は除く。)

  • 帰化許可申請書
  • 親族概要書面
  • 履歴書
  • 帰化の動機書
  • 国籍証明書(戸籍謄本や旅券の写など)
  • 身分関係証明書(出生証明、結婚証明、親族関係証明、国籍喪失証明など)
  • 住所証明書(住民票、旧外国人登録原票記載事項証明)
  • 宣誓書
  • 生計概要書面
  • 事業概要書面
  • 在勤及び給与証明書
  • 卒業・在学証明書
  • 源泉徴収票
  • 納税証明書
  • 資産証明(預金残高証明、所有不動産登記簿謄本など)
  • 確定申告書控、決算報告書、許認可書写(事業者)
  • 運転記録証明書(免許保持者)
  • 技能、資格証明書
  • 居宅・勤務先・事業所付近地図
  • スナップ写真など
  • パスポート(新旧)写
  • 在留カード(外国人登録カード)写
  • 運転免許証写

上記のような書類が必要で、原則として一つでもそろわなければ法務局は受理してくれません。

特に、家族関係証明などの身分関係証明は本国から正式な書類を取り寄せなければならない場合も多く、慎重に行う必要があります。これらの書類がすべてそろった後に翻訳をつけてコピー1部とともに法務局にもっていきます。

まずは、ご相談を。

このように、帰化申請(日本国籍取得)の手続きは、提出書類も多く、法律用語や日本語能力も必要となるため、煩雑な手続きで時間と手間がかかることが多いです。ずっと日本で暮らしてこられた中国国籍者、韓国国籍者の方でしたらご自身で手続きをされる方もいらっしゃいますが、欧米、アジア、アフリカ、南米の方はなかなか取得できないのが実情です。

当事務所は、英語圏を中心に中国・韓国国籍者以外の方の依頼実績もございますので、翻訳も含めて安心してご相談下さい。

報酬

  • 帰化申請:メール・電話相談・・・無料
  • 帰化申請:ご来所による相談・・・6,000円(1回1時間程度)
  • 帰化申請:出張による相談・・・10,000円(1回1時間程度)
  • 帰化申請:書類作成代行・・・150,000円

偽装結婚

国際結婚の旦那さんのこんな相談増えてます。

国際結婚のたいへんな手続が終わって、ビザの手続もインターネットで調べながらご自身でどうにかやり遂げて、やっと日本で一緒に暮らせると思った矢先のことです。

・奥さんが以前の態度と全く変わって、言葉もろくに交わしてくれない。
・一日中アルバイトに行って、給与はなぜか中国本土にほぼ全て送金。
・日本語を覚えたり、日本の親族・友人と仲良くしようという努力がない。
・中国人(フィリピン人)のコミュニティにばかり参加したり家に呼ぶようになった。
・住所は一緒だけど、実際は友達の家を泊まり歩き、ほぼ別居状態。

今後も結婚を続けていくべきか。もし続けていくとしても、ビザ(在留資格)を更新できるのか。ビザ(在留資格)を入国管理局が取り消してしまうのではないか。というご相談です(本当にかなり数は多いです)。

国際結婚は、まずお互いの異なる文化の理解から。

即断は禁物です。国際結婚は異なる文化をもつ者同士の結婚ですから、まずはお互いの文化を理解しようと務めることが大切です。

・お互いの生活言語を覚えようとする努力(日本人の側に努力が足りない場合もあります)
・日本的な「家」・「結婚」などの風習に対する理解(特に親戚づきあいや冠婚葬祭など)
・仕事やアルバイトで得た収入の使い方(夫婦別管理がふつうという国もあります)
・日本人コミュニティへ馴染み参加すること(趣味やお子さんを通してが多いようです)
・夫婦間・家族間でのコミュニケーションをとること(ケンカしても長期の別居は避けて下さい)

こうした努力がまずは必要です。ただそれでも、どうしても理解・納得できない、日本に馴染もうとする努力がほとんど見られないという場合もあります。

結婚前のご相談、結婚後のビザ手続き前のご相談であれば、(ご自身では言いにくいでしょうから)当事務所のほうから、手続きに関する詳しい経緯と事情のヒアリングからアドバイスすることができるのですが、相談に来ていただいたのがすでに来日後半年、1年という場合には正直辛いですね。

「もう離婚しよう・・・」と決めた時の手続き

国際結婚の手続きが少し面倒(婚姻要件具備証明の取得、外国領事館への届出など)だったように、それ以上に国際離婚は手続きが煩雑な場合があります。

お二人でしっかり話しあった上で納得して決めた離婚(いわゆる「協議離婚」)は、世界でも有数の手続的に簡単な離婚の方法ですが、まずはこれを検討して下さい。離婚届に夫婦の押印をしてください。このとき、日本人の側が勝手に押印し提出して、後でトラブルになる事例も多いですが、これは違法ですのでやめて下さい。

協議離婚がととのわない場合は、調停・裁判などの法的な手続きに移ることもあります。この時は、早めに弁護士に相談されたほうがよいです(当事務所は入管ビザ専門の行政書士事務所ですが、弁護士事務所のご紹介は可能です)。

さて、無事に日本での離婚ができたあとは、相手国への離婚届が必要です。これをしなければ日本では離婚していても、外国では結婚状態が続いており、「重婚」状態(いわゆる「跛行婚」)になってしまいます。日本の離婚届受理証明あるいは離婚後戸籍を所得し、海外でも使えるように外務省(東京または大阪分局)で認証を受けて下さい(国によっては在日領事館での認証も必要ですが、詳細はお問い合せ下さい)。これを領事館や本国当局に提出します。この手続は結構面倒な場合もあります(フィリピン・南米などのカトリック系国、中東・イスラム系国の方は個別にお問い合せください)

日本人の配偶者等の在留資格について

「日本人の配偶者等」の在留資格は、離婚するとそれ以上更新することはできなくなってしまいます。帰国準備あるいは他の在留資格(就労系や定住など)への変更を早期に検討して下さい。

在留期間がまだ長期間残っている場合も、現在は離婚後は入国管理局(入管)に離婚を報告する義務があり、それから数ヶ月間のうちに帰国することになっています。(離婚後すぐに再婚するので日本に残りたいという場合は、法律上の制限(日本の待婚期間や各国家族法による制限)もありますので、一度お問い合せ下さい)

日本で働けるだけの資格(就労系の大卒要件や起業系の資本要件など)がある場合は「就労系在留資格(人文知識・国際業務、技能、技術、投資経営等)」への変更、結婚後の日本滞在期間が長い場合は「定住」への変更の可能性があります(ただし、かなり微妙な場合はお問い合せ下さい)。

そのまま在留期限を過ぎてしまうと、違法滞在(いわゆる「オーバーステイ」)で犯罪者となります。かならず離婚後は早めの対応を考えて下さい。

騙されたので、仕返ししたい!

なかには、偽装結婚の道具にされたとお怒りになり、「入管に通報してやる!」「ビザ(在留資格)をなくして強制帰国させてやる!」と息巻く方もいらっしゃいます。

お気持ちはわからないでもないですが、まずは落ち着いて今後何をしなければならないかを考えてみてください。強制退去させられた元奥さんとの話し合いなしに別れてしまった場合、その後の話は非常にやりにくくなります。ましてやお子様がいらっしゃる場合には大変です。弁護士を通して話し合いの機会をもつなど連絡を取った後、冷静な話をすることを勧めます。

また、入国管理局が強制退去を行った場合原則5年は入国できません。ご主人に結婚にいたった経緯や事情も聴取されるでしょうし、あとでやり直そうと思っても取り返しがつかないですから。気分に任せた即断は控えていただくことをお勧めします。

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